最後の恋

あとがきと裏話

第1章は、現状維持というか、原作とほぼ変わっていない形の二人。
やはり始めるならここからだろうと。でも2年生になっている分、表面的には変わっていなくても二人の中ではそれぞれの想いがそれぞれに変化しつつあったのではないかと思いながら書きました。

第2章は、乱馬くんが頑張る回です。やはり猫乃的には「乱馬くんから告白」が理想なので頑張って頂きました。それでもはっきり文章で「好き」と書けませんでした・・・。原作で最後まで言わなかったという言葉の重みがありますから。二人にとって、一番大切な言葉だと思います。

第3章は、初デートです。この話は・・・実は二人で水の掛け合いとかするバカップルシーンを書いた後に「それじゃ女になっちゃうよ!」と気付いて慌てて書き直しました。きっと乱馬の心境からいくと、初めてのデートぐらい絶対にずっと男でいたいと思うから、海だというのに水には全く触れていないという無茶な展開になりました。

第4章は、初キスです。これまた乱馬くんに頑張ってもらいました。この辺りはあかねちゃん視点より乱馬くん視点の方が文章のノリが軽いです。自分ツッコミとか。書いている側は楽しいんですけど(笑) 初キスのシチュエーションは了承を得てからとかお互いの雰囲気が盛り上がってとかいろいろ考えましたが、最初だから焦って終わりということで、今回はこの形になりました。

第5章は、初夜です。これは相当苦労しました。6話を書き終わって7話を書いていてもちっとも書けなくて、連続更新を始めてから覚悟を決めてようやく書きました。付き合って3ヶ月で早いか遅いかはその人たちの付き合い方次第だと思うので、ゆかとさゆりの意見は気にしないで下さい。

第6章から、お話は段々暗くなっていきます。猫乃の中では、5話までは普通に見れる乱あ、6話以降はマニアック、と線が引かれていました。普段ちょこちょこと書いている鬼畜・溺愛乱馬さま登場です。この後長く彼は苦悩しますがそんな彼も大好きです。良牙と3人娘のシーンはどの程度掘り下げるか悩みましたが、あくまで乱馬とあかねメインということでかなり控えめに出しました。

第7章は、あかねちゃんサイドですがなんと言っても乱馬さまの変化に力入ってます。猫乃的に一番のシーンは『冷ややかに抱きつく女子を見下ろす』乱馬が、その目であかねちゃんを牽制した後、女子を突き放すところです。あかねちゃん視点なので身を隠している間に起こっていて見えていませんが、乱馬は冷たく腕を振り払ってます。それを見られたくないのでまず牽制した、と。「俺、そんなに優しくねーよ」というセリフは振り払ったことに対して言ってます。

第8章で前話のことは『必死で回された腕を払いのけたり』とだけ書いて、それ以上の説明は敢えてしませんでした。部屋でいちゃついたり、『その顔は可愛いけど、ダメ』などともうただのバカップルみたいになってますが、『ケンカもしなくなった』というところに乱あの不自然さを感じて頂けたら嬉しいです。猫乃的には『どこが』という乱馬の率直な一言が気に入っています。

第9章ではクラスが離れることで多少の環境の変化というものを体験してもらってます。いつまでも同じ状況ではいられないわけだし、本当はそれに柔軟に対応していくべきなんだろうけど、二人ともそれが出来なくて上手くいかないという。もちろん乱馬があの日迎えに行かなかったのはわざとです。あかねがどうするかを試したけど、にこやかに対応されたので実はムッとしつつ紳士に対応してます。

第10章でのお弁当シーンは、乱馬が限りなくエセ紳士でいいです。『・・・うざ』と思いつつ爽やかに笑顔を見せたり、皆の前で堂々とでことでこを合わせたり。最早別人(笑) これまでの流れでそれが読む方に受け入れられていればあかねちゃんがずっと違和感を感じ続けた甲斐があります。でも猫乃的にはこんな乱馬はありです。嘘くささが何とも言えず素敵。黒い!と思いながら書きました。

第11章でとうとう乱馬が壊れました(苦笑) 話の大筋を決める段階でこの展開はもちろん予定されてたんですが、それでも「はは、ははは・・・」と笑うところを書きながら『ひー壊れちゃったよ』と自分自身も半笑いでした。空の色と二人の関係が同じように暗く見えなくなっていく様が書けていればいいなと思います。

第12章は、乱馬視点なので乱馬の気持ちだけを追う形になるんですが、それでは何故あかねが途中で乱馬を受け入れたのかわからないので、次の回で回想しようかとかいろいろ考えた末、結局補足的にあかね視点も書くことにしました。

第13章は、ひたすらあかねの回想(夢)とモノローグです。12話までが自分的に盛り上がり最高潮だったので、ここから先は書くのに苦労しました。

第14章では、乱馬がどれだけ落ち込んでいても「このまま死んでも構わない」とか「死ぬ」という単語を使わないように気を付けました。そんなこと簡単に口にして欲しくないので。良牙は出て来ても来なくてもあまり影響がない役だったので出すか悩みましたが、次の回で3人娘も出てくるし・・・と思い少しだけの登場です。

第15話で、二人の今後を変える重要な役割を3人娘がしています。2人だけではすれ違ったままでも、周りのほんの少しの影響力で変わっていけるということで。3人はあかねに直接「こうしろ」というようなことは一切言っていません。あかねが3人と少し話をしたことで、自分で答えを導き出した・・・という風に伝われば嬉しいです。

第16話で、ようやくお互いの気持ちを打ち明けました。実は乱馬があかねの気を引くために取っていた行動(女子に対するエセ紳士)については触れられていないのですが、今ここで全てぶちまけなくても後で一緒にいる中で「実はさ・・・」というのもいいかなと思いまして。
甘々な乱あ大好きな猫乃ですが、やっぱり乱馬とあかねはケンカもしつつ・・・というのが一番自然だと思います。前話の『ケンカが、したい』という言葉、そしてこの話での「いっぱいケンカしよう」という言葉は、乱あならではの愛の形(笑)だと思います。

2014.06.29 追記
エピローグを追加しました。正直、今回加筆することになったものの、7年も前の作品に手を加えるといろいろな違いが出て逆に良くないんじゃないかとも思いましたが、書き上げたら書いて良かったと思えました。二人には、ずっと幸せでいてほしいです。乱あ万歳!!

長いお話だったのに、ここまでお付き合い下さって、本当にありがとうございました!
下は各話ごとに青文字で書かれていた一文の元ネタ掲載です。
有名な曲ばかりなので気付かれた方多かったんじゃないでしょうか♪

歌一覧(引用させて頂きました)
1. 「stray cat」 by E/v/e/r/y L/i/t/t/l/e T/h/i/n/g
2. 「HERO」 by M/r.C/h/i/l/d/r/e/n
3. 「RING!RING!RING!」 by D/r/e/a/m/s C/o/m/e T/r/u/e
4. 「if」 by T/R/I/C/E/R/A/T/O/P/S
5. 「Honey,feeling for me」 by 倉/木/麻/衣
6. 「UNBREAKABLE」 by 堂/本/光/一
7. 「誰かの願いが叶うころ」 by 宇/多/田/ヒ/カ/ル
8. 「センチメント・エキスプレス」 by G/O/I/N/G U/N/D/E/R G/R/O/U/N/D
9. 「花火」 by a/i/k/o
10.「アカツキの詩」 by ス/キ/マ/ス/イ/ッ/チ
11.「哀歌(エレジー)」 by 平/井/堅
12.「オレンジ」 by S/M/A/P
12+α.「Hello,Again〜昔からある場所〜」 by M/Y L/I/T/T/L/E L/O/V/E/R
13.「Helpless Rain」 by 中/島/美/嘉
14.「アゲハ蝶」 by ポ/ル/ノ/グ/ラ/フ/ィ/テ/ィ
15.「夢のしずく」 by 松/た/か/子
16.「Love is... 〜いつもそこに君がいたから〜」 by K/i/n/K/i K/i/d/s
エピローグ「いのちの最後のひとしずく」 by K/i/n/K/i K/i/d/s